こんにちは．2008年に学部を卒業した古屋野と申します．私が池口研究室を選んだきっかけは，3年生のときに受講した池口先生の講義(非線形システム概論)でした．講義は，「一見すると複雑な身の回りの出来事も，実は簡単な法則から産み出されることがある」というものした．私は，この講義を通して時系列予測に興味をもちました．また，研究室紹介の時に，池口研究室では時系列予測の他に，最適化問題，ニューロサイエンス，複雑ネットワークなど様々な研究も行っていることを知りました．研究分野を広くカバーしているので，興味のある研究を見つけられるし，他の研究も知ることができることが，池口研究室を選んだ決め手でした．

春，池口研究室のメンバーになりました．不安でいっぱいでした．論文なんてきちんと読んだことも無いし，もちろん書いたこともない…そういえばプログラミングの授業では，TAがヒントをくれたし…．しかし，研究室配属後に始まった講習会で，その不安は晴れました．講習会では池口研究室での計算機の使い方やプログラミング，報告書の作り方，そして先輩の研究内容など分かりやすく・やさしく教えて頂きました．また，配属されてから最も気がかりな研究テーマは，池口先生が親身に相談にのってくださったり，最新の研究内容を紹介してくださるので，まったく心配はいりません．実際，私が「こんなことがやってみたい」と相談すると，先生から「面白そうなテーマを扱ったコンペがあるからやってみない？」と提案を頂きました．その内容は，「複数のニューロンから計測されうるスパイク列を予測するには，どのようにモデル化すればよいか？」，というものでした．私は，予測に興味があったのでやってみようと思いました．こうして私の研究はスタートしました．

そして，池口先生から紹介して頂いた，スパイク列の予測に関する論文を読み進めていきました．読み進めるうちに予測についてやニューロンに関して分らないことが沢山ありました．自分で調べて解決する問題もありましたが，どうしても分らないこともあります．そんなとき私は，大学院の先輩方に質問をしました．池口研究室には，時系列予測が研究テーマの先輩もニューロンの学習に関して研究している先輩もいたので，質問すると親身に教えていただけました．もちろん，独自のテーマでも快く質問を受けてくださいますし，相談にものってくださいます．事実，独自のテーマで研究していた同期の衣川君は，積極的に質問し，先輩方と熱く議論をしていました．先輩方と議論をすると自分のアイディアの問題点など指摘していただけるので，どの研究室に配属されても，議論することをおすすめします．

就職活動についても少し話そうと思います．池口先生はこのときにも熱心に相談にのってくださいました．相談させて頂くたびに，志望動機や自己PR，今後の就職活動方針などについて，考える機会を数多く頂きました．社会人となってまだ1年目ですが，就職活動のアドバイスを一つさせて頂きます．それは，精神的にキツくなる時期に周りの意見に簡単に流されないということです．就職活動中に「この企業は○○だ」という声をよく聞くことになると思います．しかし，単に噂に流されるのではなく，なぜ○○なのか・自分にとっても○○は当てはまるのか，という点を頭の片隅に入れておいて欲しいと思います．

進学するにしても就職するにしても，池口研究室はお勧めです．私は池口研究室に所属して，研究能力だけでなく，報告・連絡・相談の仕方，お酒の飲み方なども鍛えることが出来ました．また，池口研究室には，研究内容に関して他大学の先生方・学生の方と意見交換を行なう勉強会，講義に講師としてお招きした企業経営者の方々との懇親会など，学部3年生までのときにはなかった出会いが数多くあります．進学にも就職にも，人とコミュニケーションをとる能力はとても重要だと思います．私は，コミュニケーション能力が鍛えられたことを，社会人となったいま，実感しています．そして皆さんにも，池口研究室のメンバーとして充実の日々を送ることを是非おすすめします．