世界で活躍する研究者になろう!!

木村 貴幸

みなさんこんにちは. 香港理工大學 博士研究員の木村貴幸です.池口先生の生体情報工学を受講された方とは一度お会いしていると思います.池口研究室の魅力については,そのとき少しだけ述べさせていただきましたが,池口研究室の魅力的な部分は,まだまだ,まだまだたくさんありますので,この場をお借りして存分に述べさせて頂きたいと思います.

私は,近畿大学大学院にて修士課程を修了し,池口先生のお人柄,指導力,研究に対する情熱に引かれ, 埼玉大学 大学院 博士後期課程進学の道を選択しました.研究室を替え,周りの環境が変化したことで,多少不安になることもありましたが,それ以上に,「この研究室はすごい.博士を修了するころにはきっとすばらしい研究者になれるぞ!」と将来への期待に胸を膨らませつつ,池口研究室の門を叩きました.当時の先輩や後輩,池口先生が暖かく迎え入れてくれたおかげで,最初に感じていた不安などはすぐに消し飛び,研究環境にすぐに慣れることが出来ました.

私は,博士課程から現在に至るまで,主に動的な組み合わせ最適化問題に関する研究を行っています.組み合わせ最適化問題の一つとして一般的に広く知られている巡回セールスマン問題は,探索する解空間が静的である組み合わせ最適化問題です.それに対して,動的な組み合わせ最適化問題は,解空間が,対象とする問題の状態に応じて時々刻々と変化する問題です.代表的な問題として,パケットルーティング問題が挙げられます.パケットルーティング問題とは,コンピュータネットワーク内のパケットを目的地へ素早く送信させることが目的となる最適化問題です.ネットワーク上のトラフィックやパケット混雑により,コンピュータネットワークの状態は時々刻々と変化します.各時刻では,最適な配信経路が探索できたとしても,その経路が次の時刻では最適であるかどうかの保証はありません.従って,状態が変化する中で最適な送信経路をみつけることは非常に難しい問題となります.渋滞を回避し目的地まで車を素早く到着させることが目的となる交通ネットワークにおける車の最適配送問題もパケットルーティング問題と同じく動的な組み合わせ最適化問題です.これら動的な組み合わせ最適化問題に対する最適な制御アルゴリズムの実現を目指し,私は日々研究しています.

それでは,池口研究室の魅力について述べたいと思います.まず,池口研究室の魅力その1は,”充実した研究環境”です.研究は,毎日コツコツと行うことにより,先へ先へと進みます.私はこのコツコツが非常に苦手ですが,研究だけは特別です.なぜなら,それは研究が面白くてしょうがないからです.やはり,コツコツ続けるためには,楽しい,面白いと感じることがとても重要なんですね.そして,楽しい,面白いと感じることができるのは,池口研究室の充実した研究環境にあると思います.池口先生を始め,池口研究室のメンバーは情熱的で,真面目で,熱く,そして素晴らしい人達です.研究に関する内容はもちろん,雑談を含め先生や仲間と毎日コミュニケーションをとることは非常に刺激的であり,皆さんの独創的なアイデアを聞くと,自分も負けてはいられないと自然と気合いが入ります.このような研究環境は,研究を進める上で非常に重要です.

池口研究室の魅力その2は,”研究発表を兼ねた海外旅行”です.私は池口研究室に在籍した三年間,世界の様々な場所で研究発表を行いました.また,国際会議を兼ねて,数々の国を訪問しました.個人の見解を広めるいい機会なので楽しんできなさいと池口先生が仰っていたので,そのお言葉に甘えて,私は三年間で合計三ヶ月程度海外を旅行しました.訪問国は,ベルギー,フランス,イタリア,ドイツ,ギリシャ,スペイン,香港,カナダ,アメリカです.エッフェル塔やルーブル美術館で鑑賞した数々の美術品,ギリシャのパルテノン神殿,ベネチアのサンマルク広場,トリノでのユベントス対バイエルンのチャンピオンズリーグ観戦.スペインでは,リーガエスパニョーラ観戦,サグラダファミリアなどのガウディの建築物を鑑賞し,そして闘牛を見て驚きました,これらの旅行で見たもの体験したことを言い出すとキリがありません.非常に素晴らしい経験ができたと思います.私は旅行が大好きな人間なので,このような貴重な経験ができる池口研究室で研究することができて本当によかったと思います.

池口研究室に配属された当初は,僕は英語が苦手でした.ですが,国際会議に積極的に参加することによって,英語での会話力は自然と身に付きます.英語が苦手と思われている方も心配ありません.池口研究室に配属された当初は,僕は英語が苦手でした.ですが将来は,チャンスがあれば海外で働きたいと考えていましたので,英語の必要性は強く感じていました.そこで,博士課程在籍中,前述のように,僕は積極的に国際会議に参加しました.そして積極的に国際会議に参加したことにより,英語の書く力,読む力,話す力はメキメキ伸びました.これを読まれている方の中には,英語力を伸ばしたいと考えておられる方も多いと思います.池口研究室で研究を行えば,英語のスキルは確実に伸びます.そして英語のスキルが伸びるということは,将来,日本だけではなく,世界中の様々な場所で活躍できるチャンスが増えるということに繋がります.

私は,昨年3月に博士号が授与され,現在は,中華人民共和國 香港特別行政區にある香港理工大學 工程學院 電子及資訊工程學系(Hong Kong Polytechnic University, Department of Information and Electronic Engineering)で博士研究員として研究に従事しています.2007年の9月にハワイのカウアイ島で開催された国際会議で,香港理工大學のC. K. Tse, Michael教授とお会いし,研究についての議論をしたことが,香港理工大學で研究を行うきっかけとなりました.

 

研究する場を日本から香港へと移しましたが,戸惑いは全く感じていません.論文を読み,アイディアを出し,結果を出し,そして得られた結果について仲間や先生達と議論をする.今まで池口研究室で行ってきたことと全く同じです.そしてこれらの力は,池口研究室で十分に培ってきました.この研究力を武器に,こちらでも新しくできた仲間と楽しく研究に励んでいます.香港での公用語は中国語と英語ですが,ほとんどの方が日常的に英語を用いて会話をしています.しかし,不自由なく生活を送ることができています.

香港は,アジアにおける経済のハブとなっている都市ですので,世界中の様々な場所から,香港へ働きに来ている人がたくさんいます.そして,そのような背景からか,イタリア,スペイン,オーストラリア,カナダなど,様々な国の出身の方と友達となりました.こちらでできた友人達と交流を深めることにより,とても貴重な体験,経験ができたと思います.このように現在,海外で研究者として従事できているのも全て,池口研究室で研究を行い,様々な経験を積んできたおかげです.

ここまで読んでくださった方々に,僕のこの熱い想いが伝わっててくれていると,とてもうれしいのです.学部生として最後の年,この一年をどう過ごすかによって将来への道は大きく変わってくると思います.そしていろいろと述べさせていただいたように,池口研究室での研究生活を送ることにより,研究する力は十分つくと思いますし,それ以外のスキルも十分に延ばすことが可能です.池口研究室で,充実した研究生活を送り,人として成長し,そして将来への可能性を広げてみるのはどうでしょうか?

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