池口研ネットワーク出身

藤田 実沙

藤田 実沙

こんにちは.中京大学工学部電気電子工学科助教の藤田実沙です. 私は2017年4月から2020年3月までの3年間を博士後期課程の学生として池口研究室で過ごしました. 博士後期課程から池口研のメンバーに加わるというイレギュラーな存在であったにもかかわらず, 池口先生をはじめ藤原先生 (2017年度まで池口研の助教) ,Sviridova先生 (2019年度から池口研の助教) , 池口研の学生のみなさまにとてもよくしていただき,そのおかげで今の自分があります. 今回は,池口研に来るまで,池口研での日々,池口研を出てからという3つの項目に分けて紹介したいと思います.研究室選びや進路選びの参考になれば幸いです.

池口研に来るまで

私は学部・修士時代を池口先生の教え子である木村先生 (現在は日本工業大学基幹工学部電気電子通信工学科准教授) の研究室で過ごしました. 研究室配属を控えた学部3年生のとき,研究したいテーマもこれといってなく, たまたま声をかけていただいた木村先生の研究室に見学に行ったところ, 雰囲気が良かったので木村研に決めました. 大学受験の時から理系は修士までがスタンダードだと考えていたため, 修士課程への進学について相談したところ, 長期的に取り組める研究テーマを考えていただきました. それが,マルチキャスト通信の最適化です. しかし,マルチキャスト通信を最適化するためには, グラフ的シュタイナー木問題という組合せ最適化問題を解く必要がありました. 定義は簡単なのに,良い解を見つけるのは難しい. 色々な方法でこの問題に取り組んでいるうちに修士2年生になり, 今度は博士課程への進学を考えるようになりました. また木村先生に相談したところ,木村先生の師匠である池口先生の元へ修行に行くことを提案していただきました. 当時の池口研は経営工学科というThe 最適化の学科にありました (現在は情報工学科) . 池口先生の元へ修行に行くのも,経営工学を学んだ学生と過ごすのも,自分にとってプラスになると思いました. 池口先生とは非線形ワークショップや非線形問題研究会などで定期的にお会いしており, 私の研究内容もよくご存知で,快く受け入れてくださいました.

池口研での日々

博士後期課程から,というイレギュラーな形ではありましたが, 池口先生をはじめ当時の助教の藤原先生や池口研の学生のみなさまに暖かく迎え入れていただきました. 木村研で計算機の管理を担当していたこともあり,池口研でも計算機の管理の補助を担当させていただいたのですが, いま思えばその仕事をきっかけに池口研の学生と打ち解けられたような気がします. どこまでが池口先生の計算なのだろうとしばしば思います. 池口研には,一人一机,一人一iMac,更に空いているコンピュータは計算に使って良いという素晴らしい研究環境が整っています. 27インチの大画面でコーディングもデバッグも捗ります. 希望すればデュアルディスプレイにすることもできます. また,印刷枚数に制限はなく,カラー印刷もOK,上質な研究ノートまで支給していただけます. この充実した研究環境の下,博士学生ということもあり,かなり自由に研究させていただきました. 私が集中できるのは12:00までと18:00からなので,3限や4限にTAがある日はちょうど良かったです. また,池口研は週に1回の打合せの時間帯以外は何時に来て何時に帰ってもOKなので,多くの学生が13:00くらいに研究室に来ます. 挨拶のついでにちょっと研究の話をすることもでき,それもちょうど良かったと思います. 池口研では,その日の研究活動をメールで報告すると, 次の日の研究活動を開始する前には池口先生が返信してくださいます. 池口研は毎年20名くらいの学生が在籍しているので池口先生にとってかなり大変なことは承知しておりますが, 学生にとっては

(1) 研究のペースが保たれる(報告することがないと書けない) ,

(2) 日々の記録になる(例えば,年1回のオープンキャンパスについての記憶などは毎年初期化されるので記録が重宝) ,

他の学生の状況が分かる(自分の研究にも使えそうな手法を使っている学生がいたら詳しく教えてもらったり,研究が行き詰まっている学生に声をかけるきっかけになったり)などの大きなメリットがあります.日報は一人立ちした今も続けています (返信してくれる人はいませんが…) .

また,このような充実した研究環境を朝から晩まで使い倒させていただいたことと, 研究費の獲得実績が豊富な池口先生による強力なバックアップのおかげで, 博士2年次には日本学術振興会特別研究員に採用されました. これによりお金の心配をせずに博士課程を過ごすことができました. 池口研の博士学生は,多くが特別研究員に採用されています. それはこれからも続くと思います. 池口先生のプレゼン力は書面でも健在です.

池口研を出てから

博士後期課程修了後の進路はアカデミアか企業かと言われます. 私は博士後期課程に進学すると決めたときからアカデミアを希望していました. アカデミアへの就職活動は企業への就職活動と色々な面で異なると思います. 池口先生には,大変心強い推薦書をお書きいただいただけでなく, 面接での受け答えや模擬授業の方法といったアカデミアへの就職活動のポイントもご指導いただきました. そのおかげで,いまこの職に就けています. これ以上ない研究者としてのスタートラインに立たせていただき,感謝しかありません. やりたいことはまだまだ先にあるので,数年後にここに加筆できればと思います.

博士後期課程を池口研で過ごしたため,博士後期課程の話ばかりになってしまいました. 学部3年生の方にとっては,博士学生はちょっと遠い存在かもしれません. でも池口研にはほぼ毎年博士学生がいます. ぜひ話をしてみてください. きっと面白いですよ.

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