学位だけじゃない!

金丸 志生

金丸 志生

本ページを訪ねて下さり,ありがとうございます.2017年から池口研究室に所属している金丸志生です.本ページに訪れたということは,研究室配属先を決定するうえでの情報収集であったり,池口研究室に興味を持って下さっているのだと思います.以下の内容が少しでもみなさんのお力になれれば幸いです.みなさんは何を基準に研究室を選びますか? 研究室が扱っている研究分野,指導教員,友人の有無,大変さ,環境など様々あるのだと思います.実のところ,私は学部時代の成績がすこぶる悪く,研究室を選べる立場にありませんでした.なので正直なところ研究室の選び方を知りません.そのためみなさんに有益な情報を提供できるか分かりませんが,私が約4年間,池口研究室で研究活動をしてきて感じたことを綴りたいと思います.

まずは簡単な自己紹介をさせていただきます.私は2014年4月に工学部経営工学科に入学をして,2019年3月に卒業をしました.お気づきかと思いますが,留年をしたために5年間,学部生として過ごしていました. しかしながら,こうして現在(2020年9月)大学院の工学研究科経営工学専攻に進学して,池口研究室で研究 生活を送っているのは,この留年中の出来事が大きなきっかけとなっています.

翌年に卒業研究に着手できず再び3年生として過ごす,つまり留年するということが決まったのは 2016 年 の前期でした.池口先生と出会ったのは2016年の後期にあった経営科学という講義の一環で,池口研究室 に仮配属されたときです.順調に進級してきた学生であれば,経営科学と必修単位の講義の開催時間が重複す ることはないのですが,私は再々履の必修と被ってしまいました.池口研究室の指導教員である池口徹先生は 快く相談を受けて下さり,経営科学の講義時間とは別で時間を設けて下さいました.それまでに受けてきた大 学の講義と違って,研究室に伺ってダイレクトに指導を受けられるというのは新鮮でした.さらには当時研究 室に所属していた先輩が90分間付きっきりで面倒を見て下さり,毎週新たな発見,知識を身につけられ,そ の時間が一番の楽しみとなりました.後期が終わるころ,池口徹先生より「留年している間はどうするのか, やる気があるならその間も池口研究室に来て研究をしてはどうか?」と,願ってもない言葉をかけて下さり,即 座にお願いしました. 実際に2017年から研究室に配属され,卒論生(卒業研究に着手する学生のこと)でも何でもない私に対して も,他の卒論生と同じようにデスクを設けて下さり,研究に関する議論も活発に行って下さいました.時には 池口先生が海外出張中でも,リモートで議論をして下さりました.それほど池口先生は心が暖かく手厚い指導 を施してくださる方です.上述のような教育に熱心な先生というのは,まず他の研究室では有り得ないと思い ます.というのも東京理科大学は実力主義を唱え,学生の自主性を尊重する文化があるからです.もちろん, 過干渉という訳ではなくて,池口先生は成長する機会を無限に与えてくれる存在です.留年をするほど学業を 疎かにしてきた私でしたが,このように恵まれた自己成長の場を学部生だけで終わせるのは勿体無い,もっと 池口先生の下で自己成長していきたいという一心で大学院進学を決意できました. また池口先生の面倒見の良さは池口研究室としての文化の一つでもあります.研究活動について右も左も分 からない卒論生に対して,池口先生だけでなく,当時助教の藤原寛太郎先生,研究室の先輩が本当に一からサ ポートして下さりました.研究の進め方についてもそうですが,当時私が全く知らなかった,池口研究室で 採用されている Mac OS,UNIX 環境といった研究とは本質的には無関係な領域,果てはEmacsやgnuplot, LaTeX 等のアプリケーションやシステムの使い方まで,懇切丁寧に指導して下さいます.そのため研究活動に 関する悩みや不安は配属されてすぐに解消されると思うので,安心してもらって構いません.

悩むとすれば,大学院への進学か就職だと思います.あくまで私の個人的な意見ですが,大学院への進学を強 くおすすめします.就職に強いという理由もあると思いますが,池口研究室では社会人が求められる必須のス キルが学生のときから自然と培われるためです.例えば池口研究室では,日報メールという方法が採用されています. 日報メールには,個人の研究活動の進捗を池口研究室のメンバー全員で共有して議論を交えて研究をより 質の高いものとするといった目的がありますが,メールのマナーや目上の方への報告・連絡・相談の習慣が付 加されます.また月に1回程度,研究打合会で研究室メンバー全員の前で,研究の進捗を報告する機会があり ます.そのときには研究についての資料を準備をするのですが,上級生からの資料の添削やアドバイスなどを 受け,誤解なく伝わるような文章を書くスキルが身につきます.この際,誤字脱字や文章だけでなく,構成そ のものから添削をして貰えるので,プレゼンテーションスキルにも繋がる能力が備わります.こうした池口研 究室での習慣が自身の力となっていることを最初に実感できるのは,卒業論文作成時だと思います.卒業論文の作成は実のところ想像以上にハードなことで,適当に仕上げることは叶いません.しかし普段から正確な文 章を書くことを心がける習慣が身についていれば,格段に質の高い卒業論文を仕上げることができるでしょう. 幸運なことに池口研究室での研究活動を通して培ったスキルは,社会に出ても今後一生必ず役に立つはずです.

また,学部生では中々経験できないことの一つとしては,学外での研究成果の発表をする機会の豊富さがあると思います.国 内に留まらず国外での発表する機会もあり,私は過去に2度国際会議に参加し,いずれも1週間近く滞在でき ました.実は私はこの国際会議が人生初の海外経験で,自己負担は現地の食費や娯楽費だけで,お得に充実し た海外旅行(笑)になりました.国際会議は日本語ではなく英語で発表するのですが,英語に(だけでなくフラ ンス語にも)精通した池口先生をはじめ,ロシア出身で現在の池口研助教の Nina 先生が発音から言い回しまでの本質的で 丁寧な指導を受けられるので,英語に自信がない方でも安心して積極的に挑戦できます.それを学生の内から (しかもお得に)チャレンジできるので,是非大学院に進学してたくさんの学会経験を積んで人生を豊かにして 下さい.

いかがでしたでしょうか? 長々と書かせていただきましたが,要約すると,池口研究室は指導教員である池 口徹先生をはじめとした池口研究室のメンバーの面倒見の良さから生まれる理想的な研究環境であること,社 会人になる前の自己成長や見識を広げる機会が豊富であることの2点です.本ページをご覧になられたあなた にとって少しでも有意義な情報であったこと,さらには池口研究室を希望するきっかけとなることを願ってお ります.ここまで読んで下さってありがとうございました.

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