博士課程までの道のり

對馬 帆南

對馬 帆南

東京理科大学 工学研究科 情報工学専攻 博士後期課程1年 對馬帆南です.私は,日本工業大学 工学研究科 電子情報メディア工学専攻を卒業後,池口研究室に入りました.池口研究室歴はまだ半年ですが,毎日充実し た生活を送っています.このエッセイでは,修士課程へ進学した理由,博士課程へ進学した理由をお話した後 に,池口研究室での生活についてお話しようと思います.

修士課程に進学した理由

1. 学会に参加したこと

学会に参加する前の私は,修士課程への進学は1ミリも考えていませんでした.なので,研究テー マではなく,先生との話しやすさを重視して松浦先生 (2009年度,池口研究室博士課程終了) の研 究室を選びました.学部4年になり,就職活動が終わり,卒業に向けて研究を進めていると学外で ポスター発表をする機会を頂きました.はじめは正直嫌でした.周りの友達は学外で発表なんてな いのになぜ私だけやらなければいけないのだろうかと思いました.しかも,開催場所は名古屋で す.はじめての一人新幹線,一人ホテル... 発表以外にも様々な不安がありました.ですが,学会に 参加して思ったことは,「参加してよかった!!」です.研究発表を通して,他大学の先生,学生 と議論をすると自分が成長できると感じました.また,研究発表以外にも名古屋でたくさん思い出 ができました.

2. 憧れる先輩に出会ったこと

松浦研究室や池口研究室など約10研究室が集まり,ポスター発表やオーラル発表などが行われる 非線形ワークショップがあります.このワークショップで出会った池口研究室の藤田さん(当時, 博士課程 1 年,現在,中京大学助教),多々良さん(当時,修士課程 2 年,現在,株式会社クラレ),青木 さん(当時,修士課程 1 年,現在,IBM)は研究に対して真面目で,可愛くて,優しくて,私も先輩 たちのようになりたいと思いました.特に藤田さんとは,国内外の同じ学会に参加する機会が多く,研 究以外のこと(生活面や進路)についてたくさん相談にのっていただきました.

そんな私が池口研究室を知ったのは,データ解析について調べていたときです.私は大学時代か らデータ解析について興味を持つようになり,卒業研究のテーマにしました.更にシステムエンジ ニアとして働いていたとき,様々なシステムに携わる機会があり,データ解析の技術の需要が高ま ると実感していました.池口研究室では,インターネット,交通,噂の伝播,病気の感染など様々な データを時系列データ,ネットワークデータとして扱い,研究をしていることに魅力を感じました. 池口研究室で研究することで,これらのデータの背後に潜むルールを解き明かし,未来予測,不具 合の制御,AI開発など様々な課題を解決できると考え,池口先生にご連絡をさせていただきました. 当時はちょうど卒業の時期で,大変お忙しかったと思いますが,丁寧に接していただいたことは今 でも記憶に残っています.不安を抱いている私に具体的な研究計画をアドバイスしていただき,感 謝しかありませんでした.

以上の2つの出来事がきっかけで進学を決めました.

博士課程に進学した理由

池口研究室の生活の中で,効率を意識した綿密なスケジュールを立てることが重要でした.また, 研究内容に関して指摘を受けたとき,必ずその内容を反映させ報告することを徹底していました.プ ログラミングスキルの向上であったり,原稿を書く速度などに成長している実感を得られたため,楽 しんで研究活動を続けることができました.また,指導教員である池口先生の指導はもちろん,様々 な人々と意見を交わす機会も多く得ています.研究室では月に一度ワークショップが開催され,他大 学,他学部の方と接する機会に恵まれています.研究する過程で行き詰まった際,他研究室の先 輩方や,教授の方々の意見がそれを解消するきっかけとなったこともありました.自分とは異なる 研究を行っいる方の話も,自分にとって新鮮であり,知らない世界でもあるため,とても貴重な経 験だと思います.

1. 藤田さんに憧れているから

修士課程1年の冬頃,そろそろ就職活動を始める時期に,自分は来年以降どうなりたいか考えま した.その時,頭の中に浮かんだのは藤田さんでした.今思うと,藤田さんは,私が学部生の頃か ら,“對馬さんも修士課程に進学したら,来年はスペインで発表だね”,“對馬さんも進学したら後 輩ができるね” など,私が進学したときの話をたくさんしてくれました.修士課程,博士課程へ進 学後の自分が少し想像できたことが,私にとっては大きかったのかもしれません.

2. 研究発表を通していろんな経験をしたいから

私は,学会で国内は北海道,名古屋,大分,沖縄,国外はハワイ,スペイン,マレーシアに行きま した.特に,海外の場合,約1週間ほど滞在するため,現地の生活は毎日が刺激的です.ハワイで は日本未上陸のパンケーキを食べたり,スペインでは,サグラダファミリアを見たり,マレーシア では,モスクに行ったり,発表以外の思い出もたくさんできます.これからも国内外のいろんなと ころを訪れたいと思っています.

他にも理由はありますが,それは池口研に入って博士課程に進学した人だけにしか教えません (笑). もう一つ,よく質問されるのが,研究辞めたくなったりしないの?です.うまくいかないときは正直, 辞めたいって思ったことあります.ですが,辞めずにここまでこれたのは松浦先生,池口先生のサポー トのおかげだと思います.

池口研究室での生活

池口研究室での生活は楽しいです.池口研究室では日報メールがあります.その日にやったことを研究 室全員にメールで報告します.報告すると池口先生はいつも丁寧に返信をしてくれます.特に今年はコ ロナウイルスのため緊急事態宣言が出て,自宅で研究を進める期間が約2ヶ月ありました.在宅での 作業は正直モチベーションが下がります.ですが,池口先生の日報の返信で乗り越えることができま した.

池口研究室の打合会では,大学院生は発表資料を英語で作成します.私は英語ができないため,毎回,打合会終わりに 助教のNina先生に文章の添削をお願いしています.Nina先生はいつも私の変な英語を直してくれま す.さらに,池口研究室では,英語発表があります.研究に関連する内容について英語で発表します. 池口先生,Nina先生は私の英語発表について毎回アドバイスをくれます.

このように研究以外の面でも,メールの書き方,英語についてサポートしてくれます.

最後に...

このエッセイで伝えたいことは,池口研に入ると研究を通して成長することができます.松浦先生,池口先 生は国内外の学会に挑戦する機会をたくさん与えてくれます.特に国外発表は英語での発表になるので,自分 にはできるのだろうかと不安になると思います.ですが,自分にはできるのだろうかと思うことに対して挑戦 し,乗り越えると新しい自分に出会えます.研究を通して,自分を変えたい,またはいろんなことに挑戦した い気持ちのある人はぜひ,池口研をおすすめします.

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