池メンクオリティを体感せよ

大野 修平

大野 修平

 皆さんこんにちは.池メンこと池口研究室メンバー修士一年の大野修平です. この紹介文を読んでいる皆さんは,今まさに,これから卒業研究の研究室配属を目前に控え,研究室選びに頭を悩ませているのではないでしょうか. そこで,今回は二年前に私が池口研究室を選んだ理由や,池口研究室で二年間経験し感じてきたことを紹介したいと思います. それによって少しでも皆さんの研究室選びの参考になればと思います.

 私が,配属先の研究室について本格的に考え始めたのは学部三年の前期の頃でした. 私は,その頃から卒業したら大学院に進学することを決めていたので,研究室選びがそのまま博士課程修了までの6年間の学生生活を左右するるのだということが, 少なからず頭の中にはありました. では,今後の生活を決めるにあたって,研究室選びに何を最も重要視するべきかと考えました.

 先生が優しい? 先輩が優しい? 研究室の雰囲気がいい? ゼミが少ない? 拘束時間が少ない? 皆さんの中にも研究室を選ぶにあたって,こういった条件を並べて考える方は多いかと思います. しかし,当時の私が一番に考えたことは『自分のやりたい研究ができるか』でした. 私は,三年前期の「非線形システム概論」,後期の「生体情報工学」の講義を聴いて,完全に非線形ダイナミクスの世界,特にニューロサイエンスの世界の虜になってしまいました. ニューロサイエンスとなら,それを勉強できる池口研究室でならこれからの6年間を過ごしていける,そう考えたのでした.

 皆さんも,これまでの講義の中で,専門的な話や,その分野の最先端の話を聞く機会があったのではないでしょうか. また,情報工学総合演習では実際に実験を行ってみて,その分野の研究に少なからず触れる機会があったと思います. そのとき,少しでも「おもしろそう」とか「もっと深い部分はどうなっているんだ」と感じるものがあったとすればそれは,「やりたい研究」を見つけるいいきっかけだと思います. その分野について自分でも調べてみることはもちろん,どの研究室がそのテーマを扱っているのかを調べることは必須だと思います. もちろん,そのテーマを自分が考えているままに研究テーマにできるとは限りませんが,少なくとも近いものができるのではないでしょうか.

 さて,ここまでは私が配属されるまでに考えていたことをお話ししました. では次に,実際に配属されてどうだったのか,ということをお話ししたいと思います. まず,池口研究室に配属され私が感じたことは,池口研究室のクオリティの高さでした. ここで,『クオリティ』というとても抽象的な言葉を使いましたが,まさに『ハイクオリティ』という言葉が池口研にはもっとも当てはまるのではないかと思います.

 それを最初に具体的に感じることができたのは,ミーティングでの大学院生の先輩方の研究報告でした. 報告資料の分かりやすさや,報告の仕方,また,池口先生と繰り広げられる議論の深さは当時の私にとって衝撃的でした. 自分も早くこんな報告や議論ができるようになりたい,そう思いました.

 どこの研究室でも配属されたら,まず自分の研究テーマを決めなければならないということが最初の難関だと思います. そんなとき池口研究室では,これまで池口研究室で行なわれてきている研究を大学院生の先輩方が紹介してくれる機会があります. そこで,自分が描いていた『やりたい研究』が具体的なテーマにつながっていきます. 仮に,具体的なテーマにつながらなくても少しでも興味のある分野について,自分で調べて,分からないことや考えることを議論することで,自分の研究テーマを見つけることができます. 先輩や先生と気軽に議論できるというのも池口研究室の高いクオリティの一つだと思います. そして,何よりも池口研に入ってクオリティの高さを感じたのは,池口先生や大学院生の先輩方から受ける手厚い御指導の数々でした. 配属されてすぐには,今後研究を行っていく上で必要となる計算機関係の技術に関する講習があります. これにより,これまで学科で学んできたことよりも一歩進んだ計算機による研究技術が身に付きます. 更に,池口研究室のハイクオリティの根幹を担う,プレゼンテーション能力,文章作成能力についても,池口先生や大学院生の先輩たちからとても丁寧な御指導を受けることができます. 私は初めてミーティング報告資料を河村さん(現M2)に添削いただいたとき,原稿が真っ赤に修正されて返ってきたのを,今でも覚えています. 初めのうちはその大部分を修正することが多かったのですが,徐々に自分でも文章をよく考え,推敲することでその修正される部分も少なくなり,文章力が身に付いていくことを実感しました.

 池口研究室では,卒論の中間発表,最終発表に加え,大学外部でも研究成果について発表を行なう機会が多々あります. こちらについてもやはり,先生や先輩方からの手厚い御指導があり,発表のスライドも徹底的に練ったものを作成します. この二つに関する池口研究室のクオリティの高さは,「人に伝える」ということが研究の中味と同じぐらい重要であるという考えが現れている部分だと思います. この力は今後社会に出る上でも,最も必要とされることではないかと思います. 池口研究室では,研究を通してこの力を身につけることができます.

 研究に関してはこれまで話した通り,とてもクオリティの高い池口研究室ですが,では研究以外での池口研究室はどうなのか気になるのではないでしょうか. これまでの私の話から,池口研究室に対してとても固いイメージを持つ方も多いのではないでしょうか. 私も池口研究室に配属された当時はそういう印象を持っていました. しかし,いざ配属されてみると全くそのようなことはなく,むしろこれほどまでにフランクな環境の中でハイクオリティを発揮する先輩方に尊敬の念を抱きました. さらに皆さん御察しの通り,あの池口先生が御指導なされる研究室ですから,「笑い」に対するクオリティも高いものが要求されることはいうまでもありません. こちらも池口研究室では研究と同じくらい重要で,私も日々精進しています.

 そしてもう一つ,私が配属されて意外に感じたのが,池口先生のイベント事に対するこだわりの強さです. 池口研究室では各年度の節目や,発表の終了に伴って,打ち上げや,催し事が行なわれます. 私は,飲み会やバーベキュー大会など催し事の幹事を務めることが多く,研究室のメンバーだけでなく, 池口先生から意見を聞いたり相談したりするのですが,そのときには研究室メンバーの学生以上に意見を出して頂いたり,企画に不備のないよう試行錯誤して頂きました. こういった面でも池口研究室のクオリティの高さが現れるのだと感じています. 今学部三年生の皆さんと私は,順当にいけば学部卒業と修士終了が同じ時期になるでしょう. そのときの情報システム工学科,情報システム工学コースの謝恩会幹事は池口研究室になっています. もし,池口研究室に配属されれば,幹事としてこのクオリティの高さを一緒に実感することになると思います. 違う研究室に配属されたとしても謝恩会の際にはそれを味わって頂けると思います. 楽しみにしていてください.

 これまで,私は池口研究室のクオリティの高さについてお話ししてきました. この文章を読まれた方の中には,「自分でクオリティが高いなどといって恥ずかしくないのか」と思われる方もたくさんいるかと思います. しかし,今の私は,自分がクオリティの高い池口研究室のメンバーであることを胸を張っていうことができます. もちろん,もっと上のレベルに目を向ければまだまだの部分もあるので,さらに博士課程で修業をするのですが, これまでに私が,池口研究室で経験してきたことは,間違いなく,自分を向上させ自信をもつことができるものであったと実感しています.

 皆さんも是非,池口研究室のメンバーであるというクオリティの高さを体感してみてはいかがでしょうか.

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