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2021年度, 2020年度, 2019年度, 2018年度

池口研究室での研究のキーワード

前期開講のモデリング理論(や後期開講の生体情報工学)で, その重要性を詳しくお話しましたが, 私たちは,

「非線形ダイナミクス!!」

こそが複雑現象の本質であると信じています. 池口研究室では, 神様のチェスの謎を解き明かすべく, 「非線形ダイナミクス」に関した理論を用いて, 複雑な現象を対象とした解析や実験によって研究を進めています.

現在,池口研究室では, 以下の三つ研究テーマ,

[1] 非線形時系列解析,複雑ネットワーク理論
[2] 脳神経科学,人工知能
[3] カオス振動の工学的応用

を中心にして 研究活動を行っています.
  池口研究室では,このように様々な研究テーマを選ぶことが可能ですが, その大きな理由は,

私たちの身の回りには,様々な非線形現象・複雑現象が溢れている

ということにあります.
  過去に池口研究室所属の学生の皆さんが執筆した卒業論文・修士論文・博士論文の題目を こちらのページ に載せています. どのような研究が行われてきたかも参考にしてください.

  • [1] ビッグデータ解析ー非線形時系列解析,複雑ネットワーク理論ー

     私たちの身の回りには,脳, 神経回路網,インターネット, WWW,人間関係,交通,噂の伝播, 病気の感染などいろいろなネットワークが存在しています. そして,これらのネットワークからは, 時々刻々と状態が変化する複雑な振る舞いが生み出されています.
     これらの複雑な現象は現在ビッグデータとしても注目されていますが, 池口研究室では,これらのビッグデータを 時系列データ,ネットワークデータとして調査 することで研究を進めています. これらの複雑現象の背後に潜むルールを解き明かして, 未来予測,不具合の制御,状態診断, 情報伝播,感染症対策などの社会的重要課題の解決を目指します.
    • ● 複雑な振舞いを示すビッグデータの予測
    •  ● 非線形力学系理論に基づく因果解析
    • ● 天候 (豪雨・風向風力・雷発生) 予測
    • ● 地震発生予測・経済指標の変動予測
    • ● ネットワーク理論を用いた楽曲構造解析
    • ● 数理モデルを用いた感染症拡大の解析
    • ● ネットワーク理論を用いた言語構造解析
    • ● テンポラルネットワーク上での情報伝播
  • [2] 脳を知る,脳を創る,脳を守るー脳神経科学,人工知能ー

     私たちの脳の中では, 数十億個の神経細胞が複雑に結びついています. これらの神経細胞は, どのように結びついて情報を処理しているのでしょうか? どのような情報処理の原理が用いられているのでしょうか?
    池口研究室では, 脳内で実際に観測されている学習に着目して研究を進めています. 具体的には, 脳で用いられている情報処理原理を調査することで, 従来のノイマン型計算原理とは異なる 脳形計算原理を用いた新しい計算機の実現を目指しています.
     具体的には,脳内で実際に観測されている学習 (神経細胞間の繋がりの強さが変化すること) に着目することで, 脳における記憶・情報処理の原理を解明すべく研究を進めています.
     また,神経細胞には興奮性細胞と抑制性細胞があり,通常は4:1である と言われていますが,精神疾患患者などではこの割合が異なることも報告されています. 神経回路網の数理モデルを用いることで,この割合の差異が脳内情報処理に与え る影響を解明し,精神疾患治療に役立てます
    • ● 神経回路網が示す同期発火現象の解析
    • ● 脳における記憶・学習機構の解明
    • ● 神経回路網が示す雪崩現象の解析
    • ● 人工知能技術と脳神経科学理論の融合
    • ● 神経回路網と時空間学習則
    • ● ニューラルネットの深層学習とその応用
    • ● 神経回路網とスパイクタイミング依存シナプス可塑性学習
    • ● 神経疾患患者の病態解明,予防・治療法の開発
  • [3] カオスを活かすーカオス振動の工学的応用ー

     非線形ダイナミクスから生み出されるカオス現象は, 一見すると予測不能で乱雑な振る舞いを示すという特徴を持っています. このようなカオスの特徴を積極的に応用し,工学的課題を解決することはできないのでしょうか?
    池口研究室では,カオスの有する複雑さを積極的に応用して, 巡回セールスマン問題,二次割当問題,配送計画問題などの NP困難な組合せ最適化問題の近似解を高速に かつ効率的に求めるためのアルゴリズムの開発を行っています. また,カオスを含む 振動現象の同期にも着目し,同期現象の基礎調査,工学的応用の研究も行なっています. さらに, カオス振動の有する複雑さが, 人体に対してどのような影響を与えるのか という調査も行っています. 調査結果を元に, カオス振動を用いた低周波治療器,マッサージ機, 発光装置などの開発も行っています.
    • ● 大規模離散最適化問題のカオス探索法
    • ● 動的離散最適化問題のカオス探索法
    • ● 時系列情報,ネットワーク情報を用いた組合せ最適化技法
    • ● 共通ノイズ同期現象の解析
    • ● カオス通信,乱数,暗号
    • ● カオスマッサージ機・発光装置
    • ● 非線形力学系理論を用いた画像処理・音声処理
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