池口研究室で培われる生きる力

塩見 優介

塩見 優介

私たちは,生きていく上で多くの選択を余儀なくされると思います. 身近な例を挙げると,大学進学,研究室配属,大学院進学,就職などがあります. さらには,今後も生きていく上で大きな選択 (結婚) に迫られることが多々あると思います. 私たちはその岐路に立たされたとき, どれを選択するのかをどのようにして決めているのでしょうか. 自分が今までにしてきた経験を元に選択をしていると私は考えます. つまり,今までの人生の体験から私たちは物事を判断しているのです.

しかし,多くの人はたとえ間違った選択をしても その選択に後悔することは少ないと思います. 現に東京理科大学に入学して実際に後悔している人はほとんどいないはずです. さらに言えば,研究室配属の時でさえ, どの研究室に進んでもある程度の満足は得られると思います. それはなぜかというと,他の選択肢を体験することができないからです.

比べる対象がないため自分がしてきた選択が最適ではなかった と気づくことができないのです. 自分の人生を思い返したときもなんとなく選んできた道が 本当に最適な選択なのかはわからないまま, 日々を過ごしてしまっているのです. だから,私は最高の選択を常にできるような人, つまり経験が豊富な人になりたいと考えています.

それでは,このように経験が豊富な人になるには一体どうしたら良いのでしょうか. まず第一番目に, いろんな場所に旅行をし,いろんな考え方, 文化に触れてみることが大切だと思います. 世界中のいろんな人と話すことで, 多くの人々の様々な考え方を取り入れることができるからです. 次に第二番目に,経験豊富な人生の先輩方の話を聞くことが大切だと思います. 同じ境遇を経験してきた人から話を聞くのは, とても有力な方法だと思います.

池口研究室を希望すれば, これらの二つのことについて, 貴重な経験を得ることができると私は思います. その理由は以下のとおりです. まず第一番目の世界中の文化に触れるということですが, 池口研究室では国内学会,国際学会での発表の機会が多いからです. 修士課程に進学すると学会での発表は基本となります. 自分の研究をまとめ,発表することで, 研究を進めていく上でのヒントをもらうことができます. このような学会発表以外に, 池口研究室では,2ヶ月に1回行われる非線形勉強会に参加しています. ここでは大学院生がポスター発表や学生発表を行いますが, これらを通じて多くのことを学ぶことができ, また,他大学の研究室との交流もあります. どんな研究をやろうかなと考えている人も, 5月,6月に行われる非線形勉強会を通じて 自分の行いたい研究テーマを見つけることができます.

また,池口先生はとても優しいので, 研究をさぼって旅行にいくと言っても笑顔で承諾してくれます. 私も,2015年の2月,3月は研究発表で福岡,京都に行きましたが, プライベートでも,韓国,四国一周,静岡に行ってきました. 今後,修士課程,博士課程とで,日本だけでなく, 世界中のいろいろなところを訪問できると思いますが, 世界各地で様々な文化を知り,歴史を学び, これからの人生に役立てたいと思っています.

次に,第二番目の内容に関して, 池口研究室は,縦のつながりがとても強いことがあげられます. 例えば,毎年5月には池口研究室のOB,OG会として, 卒業した皆さんと一緒にBBQなどを行っています. 企業に就職した方だけでなく, 池口研究室で博士号を取得した皆さんからの話を聞くことができます. また,神楽坂キャンパスにいたときからそうだったのですが, 池口研究室では,学部生,院生が隣同士で研究を行います. これも縦のつながりをより強くする方法だと思います. 私が卒研生として配属されたときも, 研究室内に大学院の先輩がそばにいてくれたおかげで, いろいろな質問をしやすく研究を進めやすい環境でした.

さて,最後になりますが,なぜ飛行機は空を飛ぶことができるのでしょうか. 皆さん,理由を知っていますか? それは滑走路で十分な距離を助走をしているからです. 逆に言えば,助走が短いとどんなに性能の良い飛行機でも, うまく飛び立つことができません. 学部3年生の皆さんもこの池口研究室で社会に旅立つまでの助走 (過去には女装をする人もいましたが...) を一緒に行いませんか? 助走期間は学部4年生の1年間でもいいですが, 私は大学院修士課程に進学をすることで助走期間を2年間, そして,博士課程に進学をすることでさらに3年間の合計5年間伸ばし, 多くの経験を積むことが最高の選択であると考えています. 3年生の皆さん,池口研究室でお待ちしています.

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