世界で活躍する研究者になろう!!

木村 貴幸

木村 貴幸

 みなさんこんにちは. 長崎大学工学部電気電子工学科助教の木村貴幸です. 皆さんは現在,来年度から所属する研究室の選択を迫られていることだと思います. いろんな研究室を訪問して,どこの研究室にしよう,どんな研究をしよう,そしてどんな先輩が所属しているのだろうなど,色々と考えを巡らせていることでしょう. そこで,現在までの私の研究人生を紹介することにより,池口研究室での研究生活や卒業後の進路,そして池口研究室の魅力を述べたいと思います.

池口研究室に配属されるまで

 私は,2005年に近畿大学大学院にて修士課程を修了し,池口先生のお人柄や指導力,研究に対する情熱に引かれ,埼玉大学大学院での博士後期課程進学の道を選択しました. 近畿大学から埼玉大学池口研究室へと研究拠点を替え周囲の環境が変化したことで多少戸惑うこともありましたが, それ以上に,「この研究室はすごい.博士後期課程を修了するころはきっとすばらしい研究者になれるぞ!」と将来への期待に胸を膨らませたことを今でも良く憶えています. 池口先生だけではなく,当時研究室に所属していた保坂さん(現,福岡大学応用数学科助教)や松浦君(現,東京理科大学工学部第一部経営工学科助教) などの先輩や後輩達が暖かく迎え入れてくれたおかげで,最初に感じていた不安は消え去りました. 従って,研究環境にもすぐに慣れることが出来ました.

私の研究テーマ

 博士課程から現在に至るまで, 私は動的な組合せ最適化問題に関する研究に取り組んでいます. 問題を解く際に,解の探索空間が変化しない最適化問題を静的な組み合わせ最適化問題と呼びます. 代表的な組合せ最適化問題として巡回セールスマン問題がありますが,これは静的な組合せ最適化問題です. これに対して,動的な組合せ最適化問題とは,解の探索空間が時々刻々と変化します. 代表的な問題として,パケットルーティング問題があります. パケットルーティング問題とは,コンピュータネットワーク内のパケットを目的地へ素早く送信させることが目的となる動的な組み合わせ最適化問題です. ネットワーク上のトラフィックやパケット混雑により,コンピュータネットワークの状態は時々刻々と変化します. 従って,ある時刻では最適な配信経路が探索できたとしても,その経路が次の時刻で最適であるかの保証はできません. 状態が変化する中で最適な送信経路を発見することは非常に難しくなります. 混雑を回避し,安心・安全な情報交換を行うための送信アルゴリズムを開発しています.

 またこれと並行して,電源回路に関する研究も行っています. 皆さんがよく使っているテレビやパソコンなどの多くの電機機器は,直流で動いています. また,電気の送電には変圧に優れた交流を用いています. 従って,発電所から送電される交流を,デレビやパソコンなどの機器を使用するために直流へ変換しなければなりません. これを電源回路で行います. 電力の損失が少なくかつ任意の直流を取り出す効率の良い電源回路や制御回路を設計することが,この分野の研究テーマです. これは,回路における最適化問題となります. 最適化とは,全ての分野に対して解決すべき必須の課題なんですね. さらに,最適化に関する研究分野は,最新のアイディアが日々報告されており,今後も非常に有望です. 過去を振り返ってみて,最適化問題を研究テーマとして選択して本当に良かったと思います. 皆さんも池口研究室で最適化問題に取り組んでみませんか?

池口研究室の魅力

 それでは,池口研究室の魅力を紹介しましょう.

その1:「充実した研究環境」

 研究は,得られた日々の結果に対して,原因を様々な方向から考え追及し考察するこで,先へ先へと進みます. 従って研究とは,コツコツ続けて行くことで成果が表れるものです. 私は正直,このコツコツが苦手です. 三日坊主が多いです. しかし,研究だけは特別です. なぜならそれは,日々得られる結果が面白くてしょうがないからです. アイディアを考え,それを実行します. 得られた結果が想定したものと違った場合,非常に刺激的です. このように,高い関心,好奇心,向上心を持って取り組むことが重要だと思います. また研究を楽しい,面白いと感じることの理由は,池口研究室の充実した研究環境にあります. 池口先生を始め,池口研究室のメンバーは非常にエネルギッシュで,熱く燃えています. 池口研究室のメンバーは,これからの世界を担う素晴らしい人材です. 研究に関する内容はもちろんのこと,雑談を含め,先生やメンバーと毎日コミュニケーションをとることは非常に刺激的であり, みんなの独創的なアイデアを聞くと,自分も負けてはいられないと気合いが入ります. このような研究環境は,研究を効率的に進める上で非常に重要です. 研究をうまく進めるヒントをちょっと教えてあげます. それは,積極的に先輩と相談し,かわいがってもらうことです. 僕も学生の頃,隣の席の保坂さんに議論を吹っかけてかわいがってもらい,研究者としての考え方などを教えていただきました.

その2:「研究発表を兼ねた海外旅行」

 私は池口研究室に在籍した三年間,世界の様々な場所で研究発表を行いました. また,国際会議を兼ねて,数々の国を訪問しました. 私は博士後期課程の三年間で合計三ヶ月程度海外を旅行しました. 訪問国は,ベルギー,フランス,イタリア,ドイツ,ギリシャ,スペイン,香港,カナダ,アメリカです. エッフェル塔やルーブル美術館で鑑賞した美術品の数々,ギリシャのパルテノン神殿やベネチアのサンマルク広場, ユベントス対バイエルンのチャンピオンズリーグ観戦.スペインではリーガエスパニョーラ観戦, サグラダファミリアなどのガウディの建築物を鑑賞し,そして闘牛を見て驚きました. これらの旅行で見たものや,体験したことを言い出すとキリがありません. おそらく当時の同年代と比較しても,海外旅行経験は抜きん出ていたと思います. 私は旅行が大好きなので,このような貴重な経験ができる池口研究室の学生で,本当によかったと思います.

 英語が苦手と感じている人も多いと思います. 心配することはありません. 池口研究室に配属されれば,この不安はすぐに解消されます. 実を言うと僕は英語が苦手でした. しかし将来は,海外で働きたい!と考えていました. 従って,英語の必要性は強く感じていました. 皆さんもそうじゃないですか?  そこで博士課程在籍中は,国際会議へ積極的に参加し,英語のスキル(書く力や読む力,話す力など)を磨きました. 皆さんも同様に,国際会議へ積極的に参加することで英語のスキル上げることができます. また,英語ができるということは,日本だけではなく,世界中の様々な場所で活躍できるチャンスが増えるということに繋がります.

海外での研究生活

 私は,海外で研究生活を送りたい!挑戦してみたい!という夢がありました. この夢を実現するために博士号取得後,2008年4月から2009年9月まで中華人民共和國 香港特別行政區にある香港理工大學 工程學院 電子及資訊工程學系 (Hong Kong Polytechnic University, Department of Information and Electronic Engineering)で博士研究員として研究に従事しました. 研究する場を日本から香港へと移しましたが,戸惑いは全く感じませんでした. 論文を読み,アイディアを出し,結果を考察する. 得られた結果について仲間や先生達と議論をする. 研究の進め方については,池口研究室で学んだことと全く同じです. この研究力を武器に,香港でも積極的に議論し,多くの研究仲間を得ることができました. 当時の研究仲間は現在,カナダ,オーストラリア,ドイツ,スペインなど,世界の様々な国へ研究拠点を移し活躍しています. 得られたアイディアや結果を世界中の研究仲間と議論しています. このように,世界で活躍している素晴らしい仲間と出会えたことは,非常に良い経験となりました.

最後に

 池口研究室に所属してから現在までの私の研究人生を紹介させていただきました. 私の今までの研究人生を聞いて,面白そう,目指してみたいと思われた方は,是非,来年度からの所属する研究室として,池口研究室を希望することを薦めます. 私は,私立大学,国立大学,海外の大学などの様々な研究室を,学生として,研究員として,そして大学の教員として見てきました. 現在までの経験から強く主張したいこと,それは,埼玉大学池口研究室が間違いなく世界トップクラスの研究室であり, 最新の研究結果を世界へ向けて常に発信し続けている研究拠点だということです. さらに,コミュニケーション能力や文章力,アイディア力,プレゼンテーション技術,リーダーシップなど, 今後グローバル化が進む社会の中で生き抜くためには必須となるスキルを池口研究室で学ぶことが可能です. 是非池口研究室で,池口先生や研究室のメンバーと充実した時間を過ごし,世界で活躍できる人材へと成長して下さい!応援しています!

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